文化庁メディア芸術祭 Japan media arts festival

by eriyori on Sunday 7 February 2010

新美術館で開催中のメディア芸術祭に行ってきた。去年は、調査旅行に行ってしまっていたため、見に行くことが出来なかったが、今年は就職活動の合間を縫い、参加してきた。

総じていえば、混んでいて疲れはしたが、面白かった。ゲームや漫画の面積が多いように感じたが、気のせいだろうか。宮本茂氏が功労賞として取り上げられていたが、今更であったのかと驚いてしまった。たぶん、今年はゲーム関係がメディアアートとして注視されてはいたのだろう。その中で、ラブプラスが大賞はおろか、優秀賞も逃したのは、意外であった。リアルな時系列で行われる、恋愛体験というこれまでには無かったほど、ゲーム要素を無くしたかなりチャレンジな企画であったと思うのに、なぜだろう。映像の美しさや、インターフェイスの真新しさが結局のところ評価大賞となってしまったのが、残念だ。ラブプラスをやる人間をアート部門で出したら、大賞に近かったんじゃないかなぁ。なんて(笑)

僕なりの感想ではあるのだが、これってメディアアートとして表現する必要性があるのだろうかと思える作品も幾つかあった。クリエイティブな思考の中で、時として生まれるありえない風景を、メディアアートとしてわざわざ顕在化させるような、うまく言えないけれど、どこか還元させることで作品としてしまっているだけのものがあった。また、これは映画でやれば良いだろうと思えるようなものや、これって演出家のあた真ん中そのものだよなと思える作品に出会ってしまうと、わざわざメディアアートとして作品化する意味ということを問いたくなる。

もう13回目という不吉なnumberに到るまで続いたのだから、そろそろメディアアートの位置づけがはっきりするべき時期が来たように思うし、そこにもっとアーティストは意識的になるべきかと思う。どこか、堂々巡りで停滞の感が否めないのが昨今のメディアアートの現状ではないか。ただ、音がなってウルサイものが、メディアアートだと思い始めてしまうまえに、一度ここで整理をするべきであろう。

http://plaza.bunka.go.jp/festival/