ノッポさんが喋った チャップリンが喋った

by eriyori on Friday 6 March 2009

古い無声映画を見ながら、チャップリンとノッポさんが同時に頭に浮かんだ。ノッポさんが喋ったこと、チャップリンが喋ったことは同義の出来事だろうかというひとつの疑問である。

2578 チャップリンは周知のとおり喜劇王と呼ばれていたが、これも周知のように喋らない。言葉で笑わすのではなく、体で笑わす。当時の技術の問題で、言葉の使用が制限されていたからこそ、体表現が研鑽されていったのだろう。

では、ノッポさんはどうだろう。ノッポさんは僕らがタイムリーで見ていたという事実から分かるように当然声表現は使える状況にあった。それなのに彼が言葉を使わなかったのは、日本人のイメージ、日本人が持っている日本人のイメージからだと考える。ノッポさんは、僕たちに工作を教えてくれる、c47f87e4001b06ea60339dc2d9d89065 つまりは職人だ。「日本の職人たるもの寡黙でなければならない。」そんなイメージがあのノッポさんという偶像を作り出したのだろう。

というわけで、チャップリンとノッポさんは違う。

だって、言いたいことは全部ごん太君が話してくれるもの、、、

チャップリンが話したという事実は、技術の進歩の現れであると同時に、何かが失われた虚脱感をもたらす。