Phantasmal Island

by eriyori on Thursday 6 January 2011



ネットに廃墟は既にあります。"Phantasmal Island"このソフトをご存知だろうか。私は、まだこの記事を安穏とした気持ちで書くことはできない。僕がまだネットにトラウマを持っているのは、このサービスのせいでもある。
これは、ネット界で、おそらくかなり初期の仮想都市である。それはすべて共通言語化されたシステムによってなりたっており、様々な「クライアント」が開発された。それは、ネットがようやくISDNのサービスを始めたころにあたり、クライアントの違いは読み込み速度の違いであったと思われる。今でこそみな定額制のネットにつながっている時代であるが、ネットがパケットや接続時間で制限されていた時代だ。クライアントの違いは、死活問題でもあった。私は、このゲームに囚われた。都市を作って、自分を強くして、相手を倒す。当時は、まだまだネットモラルが全然ない時代。簡単に殺人動画や、アダルトサイトに迷いこんでしまう時代であった。自由な時代で、ある意味人間の素性がむき出しの世界だった。優しい人、偽善、憎しみがモロに出ていたゲームだった。ソフトもサービスも、素人のものであったので、それこそ不完全な都市だった。
私は、そこに忘れ物をした。それを、一年後にどうしても気になって取りに行った。都市は変貌し、当時の人は既に散り散りになっていた。私が大事にしていた宝の箱は、誰かに開けられていた。
このシステムはひとりの修士生の論文用として立ち上げられたのだ。β-Yak-38にいつのひか会いたい。


weblioより抜粋 Phantasmal Island(ファンタズマルアイランド、PHI)は、β-Yak-38らによって1992年に誕生した日本国内最古のネットワークRPG。 工学院大学院生だったβ-Yak-38の修士論文のテーマ、仮想都市を舞台にしたサーバークライアント方式のコミュニケーション実験のためで、本来は研究用のシステムであったが、その後ユーザー有志によってサーバーが次々と立ち上げられ、独自に発展を続けている。 クライアントは当初Unix版が中心だったが、Windows用の「Phantasmal Island for Windows95/NT(phiwin32)」が開発された。 その後、TPHI、RPHIなどのWindows用クライアントを経て、現在は主にMPHIとRaphi、Phillyの3つのクライアントが使用されている。 サーバーソフトも公開されているため、Unix環境があれば、自ら世界の創造主「ワールドマスター」となることも可能である。 サーバーはそれぞれ相互にリンクした複合世界を形成し、転送機能によって、プレイヤーはほかのサーバーに自由に移動できる。サーバーが増えるほど、探索できる世界が広がっていく。