増山士郎 成層圏 Vol.2

by eriyori on Sunday 19 June 2011



増山士郎氏の展示を観てきた。分かりやすいコンセプト。北アイルランドにおける紛争問題を、我が家に突如として現れた犬の糞、自分と糞を介して、糞をさせた誰かとの糞争として展開がされている。糞を除去する自分の映像と、その下には、北アイルランドの領有権が、模型として立ち現れ、自らの住まいをそこに挿入している。
増山さんの作品は以前にも見たことがあった。性欲をそそられて覗いた箱の中には、覗いている姿を映し出す自分のハズカシイおしりが見えるというものだ。普段、無意識な第三者という存在に、瞬時にして自らがその役割を負わされ、意識せざるを得なくなる。そのThe third manには、自分もなりうる、むしろ常に自分は第三者であるという事実を突きつけられる。
犬の糞を処理する自らの映像から、ふと目を逸らし、北アイルランドの模型を俯瞰的に見やる。領土問題を発端とする紛争を、非難する訳ではなく、むしろ、誰しも自分の場所を守ろうとしているという事実、また自らもその一人であることに気がつかされる。


やはり増山士郎さんは、建築学科卒業生だなと模型を見ながら身勝手な思惑にふけた。

成層圏 Stratosphere
行為の装填:鈴木勝雄
Charging Action
Curated by Katsuo SUZUKI 
●増山士郎 Shiro MASUYAMA
2011年5月21日(土)~6月25日(土)12:00~17:00 日月祝休 入場無料

http://www.musabi.ac.jp/gallery/2011-2.html


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