ネットはそもそもカオスな世界のため情報が散逸、また重複しがちな世界である。そのため、貴重な情報は誰かによって取りまとめられなければ、沈んでいってしまう恐れがある。逆に誰かによって体系的に纏め上げられればその情報は大きな価値を持つことにもなる。情報がいい点は、物質性がないから、誰しもが同時にその情報に対してアクセス可能な点にある。複製も可能であるし、改造も加えられる。
本来はそれを規制するために著作権が定められているのだが、著作権はいつかフリーになる。2009年を迎えたいま、数々の著作、映像、音楽が著作権フリーとなっている。これら情報は当然のようにデジタルデータ化され、ネットに流されているのであるが、最初に述べたようにカオスな状態でしか存在していない。それゆえに活用しがたいどころか、むしろアクセスの困難さも生じている。
このような、情報を取りまとめているサイトがある。
Internet Archiveがそれである。ここでは、さまざまな情報がアーカイブ化され、誰でもアクセスできる状態にある。世界中のだれもが共通の本棚をもっているようなものである。それに世界的にみても貴重な情報が流れているのも特徴だ。youtubeなどは、市民レベルでの映像が流れている。それはそれで大変おもしろい。しかしこのインターネットアーカイブで流されている情報は、世界を揺るがした事件映像から、当時革新的な映像表現であると目されたものまで普通に流されている。
youtubeのようなホームビデオから、internetarchiveのような「映像」がフリーという共通項を持ちつつ並存しているインターネットの世界は、情報の価値を倒錯させるなぁ。
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